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建築豆知識

  • 道路斜線にも緩和規定があります

    2023.01.05 11:10 インターパーク支店 S
          草津温泉の湯畑
          (寒い冬にはやはり温泉が一番ありがたい(^^♪)

      新年明けまして おめでとうございます

     昨年は、北京冬季オリンピックに始まり、ロシアのウクライナ侵攻、相変わらずの新型コロナの流行、サッカーワールドカップでの日本代表の大検討など様々な事に一喜一憂した一年でした。
    年頭から、今年はどんな一年になるのかと思いをはせ楽しみにしています・・・・インターパーク支店設計部のSです。

     さて今年最初の豆知識のテーマは、建物の高さに関することにしようかなと思います。
    以前建築基準法の中で、「道路斜線制限」は規定された斜線を超えて建築物を建てることはできないと以前の解説の回がありましたが、今回はそれの緩和規定がありますので、いくつかご紹介いたしましょう。

    道路斜線の緩和

    緩和には6つの方法があります。

    1.セットバックの緩和

     建物を道路境界からセットバックして建てた場合、セットバックした距離分を道路斜線の基点を道路の向こう側へ移動することができます。
       ただし、セットバック部分に規定以上の高さ(物置・塀・エコキュート等)のものがあると緩和ができないので注意しましょう.

    2.1.25緩和

     第1種・第2種低層住居専用地域で、全面道路幅員12m以上の場合、道路幅員1.25倍の位置までは斜線1.25の勾配・1.25倍の向こうは1.5倍の勾配になります。
       2階・3階建ての住宅にはあまり使用することは無いかも

    3.2方向道路緩和

     幅員に広い道路から、道路幅員の2倍かつ35m以内の範囲は、狭い道路の幅員も広い道路の幅員とみなします。
    またそれを超えた部分でも、狭い道路の中心線より10mを超えた部分は、広い道路の幅員とみなす規定です。

    4.水面緩和

     前面道路の反対側が川や池などの水面、広場や公園になっている場合、道路斜線の基点を向こう側まで移動できます。

    5.高低差緩和

      道路面より敷地地盤面が1m以上高く高低差があるとき、高低差から1mを引いて残りの1/2の高さに道路があるとみなします。
     擁壁等の設置やガケ地規定がかかりますので、注意しましょう。

    6.天空率を使った緩和(天空率とは、魚眼レンズで天空を見上げた時の空が占める割合)
     
     道路斜線制限の限度いっぱいに計画した建物(適合建築物)の天空率を基準とし、建てようとする計画建物から求めた天空率のほうが大きければ、道路斜線制限を満たしていることになります。(行政により周りの工作物等も対象になります。)
    天空率緩和には、別に詳細な検討事項がありますので、専門知識のある方にアドバイスをもらってね。

    以上のように道路斜線制限にも緩和規定がありますので、計画敷地が狭い土地や道路が狭くて高さが斜線基準に当たり、思うような計画ができないといったときは、いちど検討をしてみる事で、高さの規定をクリアすることが出来るかもしれませんよ。

    それではまた~。
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